暑い、暑いと音をあげる。東北地方は台風5号で雨が心配される。
山の民は炭を焼き、杣を刈る、また鹿を打ち、猪を滅ぼすあしひきの民
千年を土に埋もれてゐし土器ならむ蛇がしつかり胴を巻きをり
毬栗がみどりの栗の葉にまぎれその戦闘性まぎれなかりき
『論語』郷黨十八 大廟に入りて、事ごとに問ふ。(大廟(魯の周公の霊廟)の中では、儀礼を一つ一つ尋ねた。)
大廟に入りて葬の儀式にて行ふことを事ごとに問ふ
『百首でよむ「源氏物語」』第四十三帖 紅梅
按察大納言は亡くなった柏木の弟である。
・心ありて風のにほはす園の梅にまづ鶯の問はずやあるべき 按察大納言
・花の香の誘はれぬべき身なりせば風のたよりを過ぐさましやは 匂宮
・もとつ香のにほへる君が袖触れば花もえならぬ名をや散らさむ 按察大納言
・花の香をにほはす宿にとめゆかば色にめづとや人の咎めん 匂宮
光源氏のかがやきにとほくかなはねど匂宮にもはなやぎはある
『春秋の花』春の部 中野重治
「おれは上り坂を上って行くぞ。「死」のことはわからぬ、わからぬけれど上り坂だ。」短編『写しもの』(1951))主人公安吉の心内語。森鴎外『妄想』の中の有名な「死を怖れもせず、死にあこがれもせずに、自分は人生の下り坂を下って行く。」に対する安吉の決意表明である。壮年期にむかう中野重吉の覚悟であろう。
死のことを意識しつつも生きてゐるわれならなくに『妄想』を読む