暑いのだ。朝から。昼間はもっと熱いらしい。これは困った。梅雨はどうなったのだろう。
二、三の蚯蚓乾びぶをまたぎゆくゴミ棄て葉まで迷路ゆくごと
けふもまた蚯蚓乾びてなんとなくその肉色の見過ぐしがたく
なにゆゑに夜の内に路上に出てくるかそのまま乾びん蚯蚓の成虫
『論語』子罕一八 孔子が言った。「吾れ未だ徳を好むこと色を好むが如くする者を見ざるなり。」 たしかにこういう人がいてもよさそうだが、やはりいないのかな。
色好むごとくに徳を愛する人この世に見ざらむと孔子のたまふ
『正徹物語』185 閑中の雪、花盛り、まさか木、上つ枝。
上つ枝に雪ふりにけりこれをこそ閑中の雪かとしづかにおもへ
『百首でよむ「源氏物語」』第十帖
・浅茅生の露の宿りに君をおきてよもの嵐ぞ静心なき 光源氏
・風吹けばまづぞ乱るる色変はる浅茅が露にかかるささがに 紫の上
紫の上の成長に気づいた光源氏。六条御休所が娘について伊勢に下る。また藤壺も宮中を去る。その寂しさの中で紫の上の美しさ、賢さを再発見する。
いつのまにかかくもすばらしく成長せし紫の上こそたいせつにすべき