朝、海老名のタワーマンションは靄っていた。湿気が多いのだろう。今日も暑い。
夜の卓に菓子煎餅がありにけり醤油に浸かりし茶の色をして
うつすらと醤油の匂ひ香らせて江戸前せんべいぱりぱりとかむ
煎餅に迫りて洋風菓子ありぬどうもうまさうだ洋風の菓子
『論語』子罕一六 孔子が言った。「出ては公や卿につかえ、入りては父や兄たちにつかえる。葬儀にはできる限りつとめる。酒の上のみだれはない。そのくらい私にとってはなんでもない。
公・卿につかへ父・兄につかふ。葬も酒もみだれずばわれにこそあれ
『正徹物語』182 本歌に取る事、草子には源氏物語のことは言うまでもない。さらに古い物語も取るのである。住吉物語・正三位・竹取物語・伊勢物語は、皆、物語の中でも歌をも詞をも取る。
源氏、住吉、正三位、竹取、伊勢はすべて取るべし
『百首でよむ「源氏物語」』第8帖 花宴
・大方に花の姿を見ましかば露も心の置かれましやは 藤壺
・深き夜のあはれを知るも入る月のおぼろけならぬ契りとぞおもふ 光源氏
・うき身世にやがて消えなばたづねても草の原をば問はじとや思ふ 朧月夜
・梓弓いるさの山にまどふかなほの見し月のかげ見ゆると 光源氏
・心いる方ならせまば弓張りの月なき空にまよはましやは 朧月夜
この帖は、この歌で幕切れだそうです。なかなか、すごい。
梓弓入るさの山にまどひありほのかに月のかげに君ゐる