暑い、熱い。
谷川渥『三島由紀夫 薔薇のバロキスム』を読む。美学者ならではの三島論。三島由紀夫の死の謎を解く。だから薔薇。三島の薔薇。
あけぼの杉の下枝にすがる蟬の殻。蟬はいづくに消えしや。分からず
朝の日は透けてすがれる空蟬を照らしゆくなり光あるごとく
蟬声の鳴きてうるさき木のかたへ耳澄ましをりこの木に鳴くか
『論語』郷黨七 潔斎には必ずゆかたを備え、それは麻布で作る。潔斎には必ずふだんとは食事を変え、住まいも必ずふだんとは場所を移す。
斉には明衣、布なり。食変居を遷りてぞなすべかりけり
『正徹物語』207 「手がひの犬」(飼い慣らした犬)とは、彦星は犬を飼う。万葉集に見えている。
彦星を「犬かひ星」(倭名類聚抄)、万葉集には見えない。
彦星の手がひの犬をとやこうや言ひても典拠を探すにかなはず
『百首でよむ「源氏物語」』第三十三帖 藤裏葉
夕霧と対面した娘と結ばせる内大臣。
・紫にかことはかけむ藤の花まつより過ぎてうれたけれども 内大臣
・いく返り露けき春を過ぐしきて花の紐とくをりにあふらん 夕霧
雲居雁へむかう夕霧
・浅き名を言ひながしける河口はいかがもらしし関の荒垣 雲居雁
・浅緑若葉の菊を露にても濃き紫の色とかけきや 夕霧