今日は熱い、あつい。
この道は滅びへむかふその自覚なくて党派の争ひばかり
まみどりの山なみ遠く見はるかす相模のやさしき色見ゆるなり
大山独楽を作る木地師の少なくなるこのまま経れば滅びゆくなり
『論語』子罕三〇 孔子の言。「智者は惑はず、仁者は憂へず、勇者は懼れず。」
智者は惑はず仁者は憂へず勇者は懼れずと孔子言ふなり
『正徹物語』198 「馴れて逢はざる恋」という題で、このように詠んだ。
・世の常の人に物いふよしながら思ふ心の色やみゆらん
「世の常の人に物いふ」と言っているのは、俗な表現のようであるが、こうあってもよいであろう。
しばらくは馴れて逢はざるこの恋もわすれはてたるものにはあらず
『百首でよむ「源氏物語」』第二十四帖 胡蝶
秋の町を貫く池に竜頭鷁首の船を浮かべた。
・風吹けば波の花さへ色見えてこや名に立てる山吹の埼 秋好中宮方女房
・春の池や井出の川瀬にかよふらん岸の山吹底もにほえり 同
・亀の上の山もたづねじ舟のうちに老いせぬ名をばここに残さむ 同
源氏から玉鬘へ、
・橘のかをりし袖によそふれば変はれる身とも思ほえぬかな 光源氏
玉鬘の返歌。
・袖の香をよそふるからに橘の実さへはかなくなりもこそすれ 玉鬘
まるで一夜を過ごしたように、
・うちとけてねも見ぬものを若草のことあり顔に結ぼほるらむ 光源氏
強情ゆゑに好めるものかいくたびも源氏が贈る文に書く文字