曇り空が、しだいに晴天に。
27℃は暑いか涼しいか九階に風の通ればいささか涼し
じわっじわっ肌へを濡らすこの汗を人の証しと誇らしげなり
エアコンのスイッチ入れる目途とする28℃をたちまちに超す
『論語』子罕二八 「技はず求めず、そうすればどうしても良くないことが起こる。」子路は終身これを口ずさんでいた。孔子が言う。「是の道や、どうして良いといえようか。」
孔子と子路のあいだに齟齬があり子路早世すれば孔子かなしむ
『正徹物語』196 実相院の義運僧正が大峰に入峯されるということで、奈良の尊勝院へ立ち寄り、一晩宿り、翌朝早く出立したので、尊勝院の院主光経上人は自ら盃を持って外に出て、出立をお祝いしたところ、義運僧正が短冊を一枚手にして、「壮行の歌一首を聞かせましょう」と言って、私に下された。急なことで困惑したけれど、とやかく言って拒み通せない事なので、墨を静かに摺って、書きつけた歌である。
・このたびは安くぞこえんすず分けてもとふみなれし岩のかけ道
今回は二度目の入峯であったので、「もとふみなれし」と詠んだ。
熊野道いくたび辿る険しさに慣れることなくけふも旅する
『百首でよむ「源氏物語」』第二十二帖 玉鬘
源氏は自邸に夕顔の娘を引き取る。
・知らずとも尋ねて知らむ三島江に生ふる三稜の筋は絶えじを 光源氏
・数ならぬ三稜や何の筋なればうきにしもかく根をとどめけむ 玉鬘
着物を贈られた末摘花の歌。
・着てみればうらみられけり唐衣返しやりてん袖を濡らして 末摘花
・返さむといふにつけても片敷の夜の衣を思ひこそやれ 光源氏
片敷のさびしさに絶へ唐衣うらかへしてや袖を濡らさむ