2024年6月24日(月)

朝は涼しいが暑くなる。雲が多いのだけれども。

  杏の木に杏の花見ず果実喰ふことしの木の実大きかりけり

  長野より妻持ちかへる杏の実ことしはいたく太りたるもの

  だいだい色の杏子の果実を齧りをり信濃の国の杏をかじる

『論語』子罕六 太宰が子貢に問うた。「夫子(孔子)は、聖者か。何ぞ其れ多能なる。」子貢がいう。「もとより天の許した大聖であり、その上他の多能である。」孔子は、これを聞いて、「太宰は私のことを知る人だね。私は若い時には身分が低かった。だから、つまらないことがいろいろできる。君子、多ならんや。多ならざるなり。」

  聖人といはれるにさてさうではないと孔子いふなり鄙事に多能は

『正徹物語』172 歌には秀句が大事である。定家の未来記も秀句について書いたものだ。雅経が「やく塩の辛かの浦」などと詠んだのが秀句である。

  塩を焼くからかの島に雨が降るかなたも見えぬ海霧ふかく

『伊勢物語』百二十二段 女と夫婦になる約束をしたのに、女は約束を違えた。男は女に詠んだ。
・山城の井出の玉水手にむすびたのみしかひもなき世なりけり

女は返事もしなかった。
まぁ、できないわな。

  井出の水に手をむすびあふふたりなりたのみしことも甲斐なかりけり

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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