2024年6月18日(火)

雨。よく降る。激しく降るらしい。

  わが眼鏡と妻の眼鏡が卓上に対峙してゐる睨みあつてる

  近視度はすこしだけわれが勝つもののメガネのセンスは妻のはうがいい

  卓上に妻のメガネが開いたまま本を読んでる百ページあたり

『論語』泰伯二一 孔子が言った。「禹は吾れ間然することなし。飲食を(うす)くして  孝を鬼人に致し、衣服を悪しくして美を黻冕(ふつべん)に致し、宮室を卑くして力を溝洫(こうきょく)に尽くす。禹は吾れ間然すること無し。」

  禹の国を大絶賛する孔子なりされどいにしへ今は無き国

『正徹物語』166 懐紙を書くに、下をあけない。上を十分あけてあるのがよい。

  懐紙にも書き方がある下をあけず上をあけるよろしかかろうか

『伊勢物語』百十六段 陸奥の国まであてもなくさまよう男がいた。陸奥から京へ、思う人に歌をおくった。
・波間より見ゆる小島の浜びさし久しくなりぬ君にあひ見で

「旅に出て、かえってあなたのことを思うようになったのです」という意味なのだった。

最後のことばはいるのでしょうか。歌だけで充分わかりますが。

  みちのくはさびしきものよ京に住む君を思ひてすべあらざらむ

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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