朝から雨、午後には上がり、曇り空の予想だ。
雲の重さに圧せられたるごときなり臙脂の熱き血潮流れよ
懈怠とはこの雲の下に圧せられしわが身なるらむこの痩せ老人
少しだけ流るる風のとほりみちあけぼの杉の葉が落ちてゐる
『論語』述而三二 孔子が言った。「勤勉では私も人並みだが、君子としての実践では、私はまだ十分ではない。」
孔子は、自分に対して厳しいものをもっているようだ。
君子としてはまだ未熟なりわがことを謙遜したり孔子先生
『正徹物語』140 題はまずすべて和訓で読むのが基本だ。「旅宿帰雁」は「旅の宿へかへる雁」と読むはずが、あまりに冗長なので、「旅宿のかへる雁」と読む。それでも帰雁は「かへる雁」と読むのがよい。昔は山家は「山の家」、田家は「田の家」と読んだ。
出されたる題の読み方も微妙なり山家、田家は山の家、田の家
『伊勢物語』九十段 つれない女を思い続けてきた男がいた。女も、心を動かされたのだろうか。「それならば、明日、簾越しに逢いましょう」と言った。男は、このうえなく嬉しく思った。同時に信じられない思いでもあった。咲き満ちる桜の枝に、歌を付けて届けた。
・桜花今日こそかくもにほふともあな頼みがた明日の夜のこと
男は信じられなかったのだ。女の心が。
さかりのさくらの枝にことよせて君にし逢へば嬉しきものよ