雲の多い日であり、昼前に雨が降った。リハビリがあり、ケアマネージャーが来た。
時に雨ふればたちまち傘ひらく赤あり、青あり、黄色いパラソル
ペットボトルのお茶のみほして空になればペットボトルをつぶして捨つる
ペットボトルを仰ぎ飲むこの阿呆づら口からこぼす水のしたたる
『論語』雍也二六 宰我が問うた。「仁者はこれに告げて、井に仁ありと曰うと雖ども、其れこれに従はんや。」孔子が答える。「どうしてそんあことがあろうか。君子はそばまで行かせることができても、井戸に陥れることはできない。ちょっとだますことはできても、どこまでもくらますことはできない。」
君子は井戸の近くまでは行くものの欺くことは罔うべからず
『正徹物語』105 懐紙の端作に必ず記す「哥」の字についても、少し昔の二条家では「歌」の字を書き、冷泉家では「謌」を書くと言っていますが、必ずそのよ、うに書くべきというわけではない。二条家では「歌」、冷泉家では「謌」と書いていたのを、こんな風に言ったのだ。「倭」は「和」と同じ意。とはいえ、わざわざ使わない字を使って人目を惹こうとするのは感心しない。「ただ人にかはらずしたるがよきなり。」
懐紙に書く文字にも違ひあり二条家は「歌」、冷泉家は「謌」
どちらでもよいことなれど目に立つはわろし人にかはらず
『伊勢物語』五十五段 男が、思いを寄せる女がいた。親密な頃もあったが、どうやら自分のものにできそうにない。
・思はずもありもすらめど言の葉のをりふしごとに頼まるるかな
女の返しは書かれていないから、無かったということだろう。
男の思ひかなはず言の葉ををりふしにやれど返しなかりけり