2024年3月5日(火)

朝から曇り。昼頃から雨になるようだ。

一昨日のことだが、

  早咲きのさくら木のもと愛らしき目白来ぬるに春もくるらし

  目のめぐり白き化粧に愛らしき目白ついばむ小さな草らし

  昨日とは打って変わって曇り空冬にもどれる寒き一日

『論語』公冶長一七 孔子の言。晏平仲(斉の名宰相)は立派に人と交際され、古なじみになっても相手を尊敬された。このところ人物評がつづく。

  斉の宰相晏平仲は善く人と交はりいつまでも人を敬す

『正徹物語』69 「春ノ風」の題で、このように詠んだ。
・色にふけ草木も春をしらぬまの人の心の花の初かぜ 草根集2622
春が来てもまだ木々の梢は冬のまま春を知らない。しかし、人の心は早くも春を知る。心の中なので、その喜びは眼には見えない。だからこそ、どうせならば人の心に花を咲かせた、そのように風が吹いて欲しい。正徹の自讃ですかね。

『伊勢物語』十九段 男がいた。情を交した女、男が使えていた女房のところでも、位の高い女性であった。やがて二人の仲はとだえる。それでも共に仕えていることに変わりはない。女の方は男を追うのに、男は目にもとめない。女が詠んだ。
・天雲のよそにも人のなりゆくかさすがに目には見ゆるものから
男の返し、
・天雲のよそにのみして経ることはわがゐる山の風はやみなり
女には別の男がいるんだろう。

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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