晴れ。15度まで上がるという。
読みたい本、読み直したい本が、山のようにある。ただ、こんなペースでは読み切れない。本を読むスピードは確実に落ちている。若い頃の半分ほどか。そうすると読む順番が問題になる。新しい本が先になり、本当に今読まねばならぬ本が後回しになったりする。どうしたらいいか。この数日悩んでいるのだが。
トイレットペーパーまだ紙残るを取り替へる老い母の仕業惚け深まりぬ
老いたるや九十歳を越すころよりさっきのこともおもひ出せず
春の日のしづかに移るおだやかなるひかりの中にクリームパン食ふ
『論語』公冶長一六 孔子が子産(鄭の名宰相。公孫僑のこと)のことをこう言った。「君子の道四つ有り。其の己を行なふや恭、其の上に事ふるや敬、其の民を養なふや恵、其の民を使ふや義。」ほぼ絶賛ではないか。
子産について恭、敬、恵、義孔子いふ四つの道に卓抜なりき
『正徹物語』68 毎月御百首の書は、定家が鎌倉の右大臣実朝に進上した書物である。「この様安々と別したる事もなき物が重宝」である。ことごとしく「足引とはいかやうなる事」など説々書いているのは皆他家の説だ。わが家の相伝にはない。この書を毎月抄という。万葉の古風を詠むのをしばらく控えるようにと実朝に伝えた。
安々と別したることなきがよし実朝よ万葉ぶりをしばし控へよ
『伊勢物語』十八段 女がいた。未熟な女で、近くに住む男を試そうとして、菊の花の色が変わってしまったのを手折り、男に贈った。
・紅ににほふはいづら白雪の枝もとををに降るかとも見ゆ
男は、試されていることを知らぬふりに、返歌を詠んだ。
・紅ににほふが上の白菊は折りける人の袖かとも見ゆ
まあ、男がたいしたものだということですね。