2024年3月4日(月)

晴れ。15度まで上がるという。

読みたい本、読み直したい本が、山のようにある。ただ、こんなペースでは読み切れない。本を読むスピードは確実に落ちている。若い頃の半分ほどか。そうすると読む順番が問題になる。新しい本が先になり、本当に今読まねばならぬ本が後回しになったりする。どうしたらいいか。この数日悩んでいるのだが。

  トイレットペーパーまだ紙残るを取り替へる老い母の仕業惚け深まりぬ

  老いたるや九十歳を越すころよりさっきのこともおもひ出せず

  春の日のしづかに移るおだやかなるひかりの中にクリームパン食ふ

『論語』公冶長一六 孔子が子産(鄭の名宰相。公孫僑のこと)のことをこう言った。「君子の道四つ有り。其の己を行なふや恭、其の上に事ふるや敬、其の民を養なふや恵、其の民を使ふや義。」ほぼ絶賛ではないか。

  子産について恭、敬、恵、義孔子いふ四つの道に卓抜なりき

『正徹物語』68 毎月御百首の書は、定家が鎌倉の右大臣実朝に進上した書物である。「この様安々と別したる事もなき物が重宝」である。ことごとしく「足引とはいかやうなる事」など説々書いているのは皆他家の説だ。わが家の相伝にはない。この書を毎月抄という。万葉の古風を詠むのをしばらく控えるようにと実朝に伝えた。

  安々と別したることなきがよし実朝よ万葉ぶりをしばし控へよ

『伊勢物語』十八段 女がいた。未熟な女で、近くに住む男を試そうとして、菊の花の色が変わってしまったのを手折り、男に贈った。
・紅ににほふはいづら白雪の枝もとををに降るかとも見ゆ
男は、試されていることを知らぬふりに、返歌を詠んだ。
・紅ににほふが上の白菊は折りける人の袖かとも見ゆ
まあ、男がたいしたものだということですね。

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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