朝から曇り、やがて雨になる。
わだかまる雲古でたるはよけれども肛門裂けて赤き血の付く
赤き血のまじれど雲古いでたるはよろこばしきと老いがつぶやく
もの干しは雨そぼ降りてわが下着乾かずにいつまでも濡れてゐる
『論語』公冶長二五 孔子が言った。巧言、令色、足恭(うやうやしい)なるは、左丘明(不明だが、有名人らしい)は恥とした。私も恥とする。怨みを隠して友になる。左丘明これを恥ず。私もこれを恥とする。
左丘明に事借りて孔子の恥を知る生き方説けり恥こそよけれ
『正徹物語』76 定家が書いたもの(「愚見抄」)に、「歌はどのように詠むべきでしょうか、と亡父(俊成)に尋ねたところ『心の働きに合わせようとするのがよい』と言われた。「今も思ひ合はせられて、ありがたき親の教へ」である。ただ心ざしに深浅がある。初心の者は、浅く狭い心の働く範囲に収まるように、実直に詠むがよい。熟達した後では、どんな才気に任せても、心の働く域は深く広いから、そこに収まる。
心の働くままに詠むべしと俊成言ひきありがたかりし
『伊勢物語』二十六段 昔男がいた。五条あたりの女に恋をしたが、失敗した。苦しんでいるところに友から手紙をもらい、慰められた。返事に、こんな歌を詠んだ。
・思ほえず袖にみなとの騒ぐかな唐船の寄りしばかりに