朝から明るい。晴れている。そして日中暖かい。今日から三月だ。
カレンダー捲るに力の溢れくる三月一日もう春ならむ
やさしきコットンブリーフにつつまれてわがふぐりにも春は訪ね来
愛媛国から小さき蜜柑の箱が飛ぶ木霊のごとし相模国へ
『論語』公冶長一三 子貢が言った。「先生の文章は、誰にでも聞くことができる。しかし先生が人の性と天の道理についていうことは、ふつうにはとても聞くことができない。」
性と天道ふたつのことを語るとき聞くべかりけれ孔子の言を
『正徹物語』65 仏持院での歌会で、十五首の題で「春ノ風」「春ノ日」または「春ノ恋」「春ノ山」などを出し、さらに「秋ノ風」「秋ノ木」「秋ノ草」などを出す。人数少なくかつ十首、十五首を詠むときには、こうした題で詠む。「ちと詠みにくき題なり。」
詠みにくき二文字の題人数の少なきときに多くつくらむ
『伊勢物語』十五段 昔男が陸奥の国にいるとき、人妻のところに通っていた。人妻の夫は、何のとりえもなかった。こんな夫につかえるべき女ではないのに、と男は不思議に思って詠んだ。
・信夫山しのびて通ふ道もがな人の心の奥も見るべく
女はたいそう嬉しく思ったが、あたしのいなかくさい心の奥など。とへりくだって返事もださなかった。