2024年2月15日(木)

今日も暖かくなるようだ。

  かちゃかちゃと軽き音たて洗ひ籠まづ空にする朝一番に

  きのふ使ひし急須、茶碗を洗ひゆく洗剤少し泡立てながら

  瓶、缶の音をたのしみ木曜のゴミ捨て場までふらりふらりと

『論語』里仁二四 孔子の言。「君子は言に訥にして、行に敏ならんと欲す。」これまた簡単明瞭だが、口重く、実践に努めることはなかなかに難しい。言うは易く、行なうは難しだ。

  言ふは易く、行ふは難し明瞭に言へどもこのことむづかしきもの

『正徹物語』50 「たつみわこすげ」は「みわ」は水のわだなり。水のたまったわだに、菅が立っていることをいう。浅葉野立神古菅根惻隠誰故吾不恋(万葉二八六三)の二句目「立神古菅」の読み方。現在では「浅葉野に立ち神さぶる菅の根のねむころ誰がゆゑ吾が恋ひなくに」と読むから、いささか正徹の言は違っている。

  旧訓を得意げに説く正徹なりまったく違ふあたらしき訓み

横須賀文化祭のために三首送る。

  キッチンのボウルに(ひた)菠薐(はうれん)(さう)(あけ)の根の色乳首のごとし

  病むからすほがらほがらに西へ(き)す。神々(かうがう)しきよ夕照りの山

  もも色に夕べ滅びの色を観てこの空のもと滅びむもよし

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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