今日から二月、如月だ。
昨日、片山杜秀『歴史は予言する』(新潮新書)を読み終えた。週刊新潮に連載している「夏裘冬扇」(かきゅうとうせん)を一冊にまとめたものだ。
片山杜秀のコラム・エッセイに読み耽る音楽・芸能に堪能なりき
歴史から読みとる未来 明治から大正、昭和へ自在なり筆致は
「夏裘冬扇」題たのし季節外れを綴るエッセイ
『論語』里仁一〇 孔子が言った。「君子の天下に於けるや、適も無く、莫も無し。」ただ「義にこれ与に比しむ。」さからうことも、愛着することもない。ただ正義に親しむ。なるほどねぇ。
君子が天下に於けるは「適」もなく「莫」もなし「義」これに親しむ
『正徹物語』36 「かこちがほ」「うらみがほ」は嫌味で気障な語である。「ぬるるがほ」は、今も詠んでいい語であり、「しらずがほ」も差し支えない。
折々は思ふ心もみゆらんをうたてや人のしらずがほなる
『玉葉和歌集』第一の名歌であり、本当に興趣を覚えるらしい。
「かこちがほ」「うらみがほ」は悪くして「ぬるるがほ」「しらずがほ」よきはなにゆゑならむ
「前十五番歌合」藤原公任(『王朝秀歌選』)
・世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし 業平
・色見えで移ろふものは世の中の人の心の花にぞ有りける 小野小町
「後十五番歌合」藤原公任
・暗きより暗き道にぞ入りぬべきはるかに照らせ山の端の月 和泉式部
・いにしへの奈良の都の八重桜今日九重に匂ひぬるかな 伊勢大輔
・木の下を住処とすればおのづから花見る人となりぬべきか