2024年12月4日(水)

今日も朝は寒いが、晴れてくるようだ。

島尾敏雄・吉田満の対談『新編特攻体験と戦後』(中公文庫)。詳しくは本を読んでもらいたい。二人の特攻体験の違いと共通点が葛藤するように捩れ合って、実に奇妙な対談で、興味深いのだ。付録に付けられた橋川文三、吉本隆明、鶴見俊介の文章もどれも興味深い。

  池におよぐ鯉食ふこともなくなりて泥臭き身を喰はずてもよし

  赤白の鯉の泳ぐに餌をやるわが足もとに鯉があつまる

  集団になりたる鯉のおそろしさある鯉は全身を宙に踊らす

『論語』子路二六 孔子曰く「君子は(ゆたか)にして(おご)らず、小人は驕りて泰かならず。」

  孔子曰く君子は落ち着きいばらない対して小人いばっておちつかず

『春秋の花』 佐藤春夫
・顔はまっしろけで/こころは魔もの/抱かれ心地はこの上ないが/聞けば逢ふには命がけ  詩集『魔女』(1931)所収「俗謡『雪をんな』」掲出詩は、ずいぶん軽妙な出来栄えであり、なかなか魅力的な表出である。
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・さまよひくれば秋ぐさの/一つのこりて咲きにけり、/おもかげ見えてなつかしく/手折ればくるし、花ちりぬ。 詩『断章』

  外面如菩薩内心如夜叉若きをみなはみなかくのごとし

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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