2024年12月28日(土)

晴れてます。

岩波文庫の『永瀬清子詩集』、谷川俊太郎が選んだものだが、読了。谷川との対談や自筆年譜がおもしろかった。もちろん詩も「初冬 新しい霜はきらびやかに/大地の冷える時わが魂も冷える/あけがたに佳い句を得たのに/目ざめると共に消え去っていた」「女はいつも損だ、損だ、損だ。」印象に残る詩句は山ほどある。

  ひむがしの空少しづつ赤くなる地平線にでこぼこありて人棲むらしき

  地平線の色変りゆく冬の朝だいだい色に空がひろがる

  信号の緑の色のくきやかに自動車進む相模大橋

『論語』憲問一九 公叔文子の臣、大夫僎、文子と同じく公に升る。孔子これを聞きて曰く、「以て文と為すべし。」

  エリートを選ぶその眼のたしかさを公叔文子に認めたりけむ

『古事記歌謡』蓮田善明訳 七 タカヒメノ命

妹のタカヒメノ命が、兄の名を神々に知らせようと思って、次の歌をうたった。  

  天なるや (おと)機織女(たなばた)の    天に機織る織女の

  項がせる 玉の御統(みすまる)     首にかけたる玉紐の

  御統に 穴玉はや      玉の光りの麗しさ

  み谷 二渡らす       その玉の様に輝いて 谷を二谷飛び渡る

  阿遅(あぢ)(し)(き)高日子(たかひこ)(ね)の神ぞや  あれはアジシキタカヒコネ

これは「夷振」という曲調である。

  二谷を飛びて御統の玉かけてわが兄アジシキタカヒコネノ命

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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