今日も天気がいい。
坂本龍一『音楽は自由にする』を読む。だいたいにしてから坂本龍一の音楽に魅力を感じたことはない。この自伝もいい気なもんだと思う。それがこんな本を読むことになったのは、彼が死んだからに他ならない。死は重たい。しかし、やはりいい気なもんだ。音楽も好きにはなれそうもない。
酩酊といふ気分を味はふこともなくこの十年どこか物足りぬもの
むらぎもの状態悪しく転倒する酔うたるにあらず熱発しつつ
落下するごとくに堕ちてゆく堕ちて堕ちてもうもどれなくなる
『論語』憲問一八 子貢曰く「管仲は仁者に非ざるか。桓公、公子糾を殺して、死すること能はず。又これを相く。」孔子曰く「管仲、桓公を相けて諸侯に覇たり、天下を一匡す。民、今に到るまで其の賜を受く。管仲微かりせば、吾れ其れ髪を被り衽を左にせん。豈に匹夫匹婦の諒を為し、自ら溝瀆に経れて知らるること莫きが若くならんや。
管仲こそ仁の人なり公子糾殺されてその時天下を匡す
『古事記歌謡』蓮田善明訳 六 スセリビメノ命
スセリビメノ命は、盃を取って、ヤチホコノ神に寄り添いながら、それを捧げて歌った。
八千矛の 神の命や 八千矛の神の命
我が大国主 わが大国主よ
汝こそは 男にいませば あなたは男であるゆえに
打ち見る 島の崎崎 見える島々 国の果て
掻き見る 磯の岬落ちず 見える磯々 いずこでも
若草の 妻持たせらめ 心のままに年若い 妻をお持ちになれましょう
我はもよ 女にしあれば わたしは女であるゆえに
汝を除きて 男は無し あなたをおいて男なく
汝を除きて 夫は無し あなたをおいて夫はない
綾垣の ふはやが下に 綾の帳を引き廻し
蒸衾 柔やが下に ふわふわなびくその下で 暖かい夜具その中で
栲衾 さやぐが下に 真白い夜具もさやさやと
沫雪の わかやる胸を 淡雪の様な若胸を
そだたき たたきまながり ぴったり抱いて抱きかわし
真玉手 玉手差し纏き 互いに手をば差しかわし
股長に 寝をしなせ 足も長々やすみましょう
豊御酒 奉らせ ごきげん直しにお杯ほしませ
こう歌い終えて、盃を酌みかわし、互いに首に手をかけ合い給うて、今に至るまで御鎮座になっている。右の歌は「神語」と申している。
八千矛の神の命やわが大国主きみこそは男なりともに豊御酒を召す
そだたきたたきまながりし恋あれどもてあますらむ老いたる軀には