2024年12月13日(金)

うっすらと雲が覆い、寒い。

  風のない冬の日の午後にほひくる柊の白き花の香ありき

  どことなく上品なる香り婦人にはよく似合ひたる白き花咲き

  ひかへめな婦人のごとき柊の匂ひありけりきよき芳香

『論語』憲問四 孔子曰く「邦に道あれば、言を(はげ)しくし行を(はげ)しくす。邦に道なければ、行を(はげ)しくして言は(したが)う。」

  邦に道あるか道なきかそれぞれに進むはげしさもある

『春秋の花』 平福百穂
・江の川の川波の渦はゆき流るつきせぬ歎きに父母はまさむ 『寒竹』(1927)所収。

かつて作者が入院した際の付き添い看護婦―彼女の故郷が「江の川」のほとり―にたいする挽歌である。
・ゆゆしくも見ゆる霧かも倒に相馬が嶽ゆ揺りおろし来ぬ 長塚節
 *
・足袋刺してみとり女ひとりしづかなり土鍋の重湯はや煮ゆる音

  ダム湖より中津川ほそくながれくる多く沈みし宮ケ瀬の村

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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