2024年12月11日(水)

今日も晴れている。しかし寒い。

ハン・ガンさんの『少年が来る』、井手俊作訳を読んだ。光州事件からおよそ三十五年。事件の死者が描かれ、その周辺の生者たち。そして事件の後生き残ったものたち。ハン・ガンさんは、こうした書物を刊行して今年のノーベル文学賞だ。

  山茶花の花咲くところ赤き花高きに咲けり多く花咲く

  山茶花の白き花咲く道沿いをゆけばさびしき六波羅蜜寺

  古狸、山茶花の花咲くところとびだしてくるけものの道を

『論語』憲問二 克・伐・怨・欲、行われざる、以て仁と為すべし。孔子曰く「以て難しと為すべし。仁は則ち吾れ知らざるなり。」

  むつかしきことなり仁はわからざる克・伐・怨・欲行われても

『春秋の花』 五島美代子
・すきとほる魚身あらはに水さむしおのれを恃むことのはかなさ

『新風十人』(1940)所収。
・おとしあな設けられなばそを踏みておちいりてのちまた行かむわれは
・わが船一つ空と海との中にありて地球の自転に逆らへるおもふ
・女身の道さからひかねてをとめづく娘はまみうるみ時にすなほなり

  透きとほる女のからだ水を浴びおのれを恃むこのはかなさよ

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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