2024年11月4日(月)

今日もまた朝から晴れ。

入院時の歌の続き

  高熱もウイルスもからだを去りたまふ少し身軽に足踏みにけり

  窓の外に小さき虫の動きありなんとかしやうにも手がとどかざる

  雨降ればけふ一日の暗くしてさねさしさがみの野も霧のなか

『論語』子路二 仲弓、季氏の宰と為りて、政を問ふ。孔子曰く、「有司を先にし、小過を赦し、賢才を挙げよ。」仲弓が問ふ、「焉んぞ賢才を知りてこれを挙げん。」孔子曰く、「爾の知らざる所、人其れ諸れを舎てんや。」

  焉んぞ賢才をりてこれをひきたてるこれが政治の要諦ならむ

『春秋の花』 里見弴
・一番繁華な表通りに、いつも耿々と月が冴え亘り、天水桶の影が濃く地に滲んで、犬の遠吠え、按摩の笛、――そんな情景のなかにばかり、あの、しみじみと悲しい気持が思ひ出された。
短編『かね』(1937)の一節。1880年代(明治中葉)の典型的な地方小都会
情景。
     ↓
・ひんがしの白みそむれば物かげに照りてわびしきみじか夜の月 『さびしき樹木』
・月照るや朝霧消ゆる身のまはり 失名氏
『かね』はよい。一読を強くすすめる。

  耿々と月の冴えたり野のなべてかげ濃き秋の夜にやあらむ

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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