2024年11月27日(水)

よく晴れている。

橋川文三『三島由紀夫』(中公文庫版)を読む。生前、三島をもっとも知る人物と考えられていて、そうした文章がまとめられている。もちろんその死にもふれている。おもしろかった。

  ふだらくの海をただよふ桴舟そのゆくすえは見定めがたし

  那智の滝の落下するさま凛冽としたればこころ直しくならむ

  補陀落に渡らむとする心情をどこかで納得してゐるわれか

『論語』子路一九 樊地、仁を問ふ。孔子曰く、「居所は恭に、事を執りて敬に、人に与りて忠なること、夷狄に之くと雖ども、棄つべからざるなり。」

  「仁」を問へば恭、敬、忠、夷狄にゆくとも棄つべからざるなり

『春秋の花』 徳田秋聲

「お増は側に立膝しながら、巻莨をふかしてゐた。睫毛の長い、疲れたやうな目が、充血してゐた。露出した男の膝を抓ったり、莨の火をおっつけたりなどした。男は吃驚して跳ねあがった。」『爛』(1913)の「一」の結末部。「愛欲描写の技巧神に入り、簡潔細緻を究む。」
・折々は妻のうとまし冬籠り

  秋聲の小説を読むそれぞれのカップルの妙描写されたり

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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