朝から雨。
雨降れば遠山並みの雲の中誰か越えけむ果無山脈
修行者のごときと道にすれ違ふ夢なれど峠越えてゆくとき
「虹計画」ひそかに企みありしこと小田急線が音たてて過ぐ
『論語』顔淵一九 季康子、政を孔子に問ひて曰く、「如し無道を殺して以て有道に就かば、如何。」孔子対へて曰く、「子、政を為すに、焉んぞ殺を用ひん。子、善を欲すれば、民善ならん。君子の徳は風なり、小人の徳は草なり。」
君子の徳は風にして小人の徳は草なりき草は風に必ずなびく
『春秋の花』 高山樗牛
・嘲風、佳耦をむかへて室に芬蘭のにほひあり。われ、残燈にむかひ、孤影蕭然として今も尚ほ「はいね」を読む。
美文『わがそでの記』の結末。親友、姉崎嘲風の結婚にたいする祝辞。芥川龍之介は樗牛ぎらいであったが、大学卒業後読み直し見なおしたらしい。高見順の『如何なる星の下に』の標題は『わがそでの記』に由来したらしい。
姉崎嘲風佳耦をむかへ扮蘭たりしかるに今も「はいね」読みをり