2024年10月27日(日)

珍しく晴れた。やがて曇ってくるらしいが。

  点滴棒を立てて看護師したがへて水戸黄門か髭をなでつつ

  病廊を歩く稽古の始まりぬ行って反ってまた行きて来る

  今朝もなかなか微熱が去らぬ病室のベッドに暮す一日なりけり

『論語』顔淵一八 季康子、盗を患へて孔子に問ふ。孔子対へて曰はく、「苟も子の不欲ならば、これを賞すと雖ども窃まざらん。」

  季康子は盗を怖るる苟も不欲なりせば懼るるにたらず

『春秋の花』 鏡王女
・秋山の樹の下隠り逝く水のわれこそ益さめ思ほさむよは 『万葉集』巻二所収。

第五句「思ほさむよは」は「御思ひよりは」「思ほすよりは」の訓があるが、私は掲出の訓に愛着する。「聴覚」の鋭敏・澄明を卓抜秀麗な掲出歌から強く感得する。「胡麻化さない写生がある。」
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・神奈備の磐瀬の杜の呼子鳥いたくな鳴きそ我が恋まさる

  神奈備の杜ふかくして鳴く声の諸鳥を聴き判別しがたき

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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