2023年9月6日(水)

堀田善衛『方丈記私記』を読む。いい本だ。1945年、大空襲の際、そこあったのは「感情の、一種の真空状態」だった。しかし「実は私氏自身の内部において、天皇に生命のすべてをささげて生きる、(略)戦慄をともなった、ある種のさわやかさというものも、同じく私自身の肉体のなかにあった」。長明が生きた時代、「朝廷一家が、あたかも鵺ででもあるかのように、ぬらりくらりと危機を乗り越えて行くものであ」り、まさに「古京はすでに荒れて、新都はいまだ成らず。ありとしある人は皆浮雲の思ひをなせり」であった。その他いろいろ。鴨長明は意外に凄いのだ。堀田善衛もまた凄いのだ。

  東京の下町を焼く大空襲。長明の『方丈記』あれこれ気になる

  古京荒れて新都はいまだ成らざるにひとは浮雲のごときとおもふ

  古典とは異なるものの面妖さ『方丈記』読む。つぶさに読める

入院中。しばらくすると歌が消える。休息である。

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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