2023年8月29日(火)

朝方は涼しかったのだが、昼酷暑。また入院だ。

瀬戸内寂聴『ここ過ぎて 白秋と三人の妻』読了。文庫本ながら700ページある。しんどい読書ではあった。詩、短歌、童謡など多彩な作品を操る北原白秋に三人の妻がいた。最初の妻は俊子だが、隣家の夫に「姦通罪」で告訴される。二番目は章子(あやこ)、そして三人目が菊子。この菊子がもっとも長く、穏やかだったが、他の二人に関しては相当に激しい関係であり、とくに二番目の章子については、瀬戸内の筆も激しく、読みでがある。

  目を盲ひし北原白秋。心弱くなり別れし妻をおもはぬものか

  ここ過ぎてゆくよりなきか妻二人捨てて文芸の道進むもあはれ

  小田原のみみづくの家にはしやぎしは江口章子(あやこ)なり離縁されにき

  寂聴の書きしはおほかた二番目の妻のこと執拗に歎きたりけむ

  寂聴は江口章子(あやこ)を好めるか多くを割きつ章子のことに

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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