2023年7月29日(土)

暑い、暑い。小山俊樹『五・一五事件 海軍青年将校たちの「昭和維新」』(中公新書)読了。これまたおもしろかった。五・一五事件にかんしては保坂正康『五・一五事件』しか知らない。橘孝三郎と愛郷塾を中心にしたもので、事件そのものを扱ったものではない。この新書が、海軍将校を直接書き記したものとしてははじめてかもしれない。満州で亡くなってしまった藤井(ひとし)を中心に取り上げたのも本書が初であろう。犬養を直接撃ち殺した三上卓についても詳しくふれている。
・選挙終へし後の怒りのしづまらぬ
・おくれても おくれても又君達に 誓ひし言葉 われ忘れめや
三上卓の俳句と短歌である。

  昭和戦前、政党政治が最後になる五・一五事件の首相暗殺

  殺されし犬養(つよき)の「話せばわかる」、「問答無用」は首謀者の語

  結局は死刑者出でず。おほかたの被告は刑を減じられたり

  生きのびて戦争・戦後の世の中をただいつしんに三上卓ゆく

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA