朝は降っていなかったが、午前8時半くらいから降り始めた。しとしとと降り続く。
雨のなか海棠に花の蕾あり赤きつぼみは春のたまもの
青山文平『本売る日々』読了。江戸時代の村むらを行商して歩く本屋の話。こんなふうにして流行りの草子類と違い、国学書、医書等を取り次ぐ商いがあったのだ。さいごは青山文平らしい感動があり、これまたおもしろかった。
江戸の世の庄屋、村医者を訪れる本売るあきなひ人を描く
村医者の口訣を集め開板す書林・松月平助なりき
おほかたは白木蘭の散り落ちて頃合ひを待ちしかさくら花咲く
葉とともに白き花咲くさくらなり木を見上ぐればいのちありけり