朝から快晴。父の墓へ春の掃苔。
山川の窪地に大き枝垂れざくら頃合ひに咲き日にあたたまる
しづかなる山間の墓。並び立つ墓石を縫うてわが父のもとへ
墓石に水を流せば父の名のくきやかに見ゆ山の奥墓
父の名が刻まれしのみに三十余年墓石寂びたる色合ひもよし
墓の前に手を合はすとき鶯の稚拙なるこゑひと鳴き聴こゆ
朝から快晴。父の墓へ春の掃苔。
山川の窪地に大き枝垂れざくら頃合ひに咲き日にあたたまる
しづかなる山間の墓。並び立つ墓石を縫うてわが父のもとへ
墓石に水を流せば父の名のくきやかに見ゆ山の奥墓
父の名が刻まれしのみに三十余年墓石寂びたる色合ひもよし
墓の前に手を合はすとき鶯の稚拙なるこゑひと鳴き聴こゆ