2023年2月21日(火)

青天だが寒い。

  山の端が薄桃色に明けてくるさがみの国の朝のはじまり

  今日はまた冬の空気にもどされて大山山陵くきやかにして

相模川の鴨たち

  (かしら)赤き鴨に黄色の鴨それぞれ風に逆らひ遅々たり(のぼ)

  いち早くさくら花咲く家の前 表札よめば級友の名

川端康成『千羽鶴』を読む。なかなか奇妙なエロスの香る小説だ。一人の青年をめぐる女性たちのそれぞれの魅力と悪意。志野の茶器を象徴のようにして、いったいヒロインは誰なのか、文体は明朗なのだが、謎めいた魅力がある。いやあ、あらためて川端康成、ただものではない。

  (えん)なるは太田未亡人か茶を喫しエロスの世界にとりこまれたり

  志野焼の(つや)。『千羽鶴』一編に底流しこのエロティックなかなかのもの

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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