朝寒い。日が出てくるとまあまあ暖かいが、影のところは寒い。
昨日、酒井祐子さんの遺歌集『空よ』(砂子屋書房)が届いた。「人」時代の『地上』『流蓮』二歌集、さらに『矩形の空』も含めて全歌集だと思っていただけに残念ではあるが、「短歌人」から五二〇余首という第四歌集は嬉しいものであった。栞も6名が書いて豪勢である。ただ私にとっては、いつまでたっても佐々木靖子さんであって、母方の姓という酒井祐子は、やはり馴染みがない。
昨年十二月、佐々木さんの葬儀
この空よ佐々木靖子が上りゆく梯子をたどり手をふりながら
成瀬有さんの葬儀の日
姿勢よき人なれば葬儀の庭に立ちすがたみすゑてかけよりたりき
紅葉の葉の散るころをさきたまの平野に死せる人を弔ふ
『論語』為政十八 子張(孔子の門人。孔子より48歳も若い)が、俸禄を取るためのことを学ぼうとした。それに孔子が答えた。たくさん聞いて、疑わしいところはやめる。たくさん見て、あやふやなところはやめる。ことばにあやまちがなく、行動に後悔がなければ、俸禄は自然に得られる。
禄を得るための学びなどあらざらむ言葉、行動におのづから従ふ
『徒然草』237段 柳筥の上に載せて置くものを縦に置くか横に置くかは、置くものによる。巻物、硯は縦に置いて、筆が転がらないのでよいと三条右大臣が言った。勘解由小路の能書の方々は横に置く。なんだか、どちらでもいいように読めるが。
柳筥の上には縦横いづれに置く決まりなければなにゆゑ記す