東の空にそろそろ太陽が昇ってきそうになっていた。逆に西方の山々を見たところ大山から北の連山の上空に燃えるような真赤な箇所があった。朝焼けであろうが、なぜそこだけという感じがしたのだ。
西の山の上空赤く燃えてゐる朝焼けここのみ不穏の色か
きのふ食べたものけふ行くところおぼつかなき半惚けしわくちゃいまの母なり
天上に風あるらしき雲薄く流れて透けて冬の青空
『論語』為政十三 子貢が孔子に君子について問うた。「まずその言おうとすることを実行してから、あとでものをいうことだ。」
孔子言ふ君子とはその言を行なひ而して後にものを言ふなり
『徒然草』232段 「すべての人は無智無能なるべきものなり。」「若き人は、少しのことも、よく見え、わろく見ゆるなり。」賢しらは見苦しいのだ。
無智無能の顔をしてゐることぞよき賢しらをするは見苦しきもの