2023年12月15日(金)

今日は師走15日、寒い。曇り空。雨が降るらしい。

  夜に覚めてペットボトルの水を呑むごくりごっくり谷川の水

  宇治の茶と愛媛の蜜柑を午後三時のおやつにせむか旨し甘し

  水流の渦巻くところうす紙の透けて消えゆく便器の底に

加藤周一『羊の歌』正・続読了。高校から大学生にかけて読んだはずだが、大方内容を忘れている。筑摩の「現代文」の教科書に雑種文化についての評論があり、著者に興味が湧き「わが回想」と題するこの新書を読んだ。その知識人としての生き方に強い感動を覚え、周囲に必読書だと推薦した記憶はあるが、内容はほとんど覚えていなかった。再読になるが、あれこれ傍線を引き、付箋を貼ったが、やはりわれわれとは遠い所に居る知識階層の自伝だと思った。もちろん、この世界を読み解くための知識、行動などについての示唆はたくさんある。まあ、楽しい読書ではあった。
『論語』為政十二 孔子が言う。「君子は器ならず。(君子は器ものではない。その働きは限定されず広く自由である。)

  孔子が言ふ君子器ならずもつと自由に広やかなるもの

『徒然草』231段 双なき包丁者の園の別当入道基氏殿とそれに文句を言った西園寺実兼とまあどちらが偉いかのような章段。「大方、ふるまひて興あるよりも、興なくてやすらかなるがまさりたる」。なるほど。

  興なくてやすらかなるをよろこべる兼好法師つきづきしきよ

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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