今日もいい天気だ。そう言えば昨日は小津安二郎の亡くなった日だった。だからテレビで「東京物語」とか、やってんだ。録画しよう。
この世から十二月十二日に去りにけり小津安二郎に『麦秋』ありき
「大和はええぞ」の言葉にうなづくわれならむ麦が揺れてる心もゆれる
あけぼの杉の茶色の枝に茶色の葉冬木になるもさう遠からず
鳥羽亮『絆 山田浅右衛門斬日譚』(幻冬舎文庫)を読む。七世山田浅右衛門吉利の斬日記録である。綱淵謙錠『斬』と重なるが、なかなかよかった。『斬』が史伝の如きものなら、あきらかに小説であり、読みやすいが、しかし内容は、死を扱って重い。
浅右衛門吉利が首を斬り落とすみづからの弟子をみづから落とす
『論語』為政十 孔子が言った。「其の以す所を視、其の由る所を観、其の安んずる所を察すれば、人焉んぞ廋さんや、人焉んぞ廋さんや。」これまた端的だが、わかりやすい。結句がくり返している。よほど強く言いたいのであろう。
人柄は焉んぞ廋さんや繰り返し言ふ孔子先生かくも伝えたし
『徒然草』228段 千本の釈迦念仏は、文永(1264~75)の頃、如輪上人が始められたという。
229段 優れた細工師は,少し鈍い刀を使うという。妙観の刀はさして切れ味がよくない。
よき細工師はさほど切れるを用ふるなく鈍き刀を用ふるものなり
この二段も薀蓄のごとし