太平洋戦争が真珠湾からはじまった日。あれから82年経つ。この国の決定的な間違いの初めの日。今日も青空、よき日である。
十二月八日この日に開始する愚かなる滅びへと向かふこの国
紅葉と黄葉を混じ枯れ落葉若きさくらは周囲彩る
わが足の踏みたるもみぢ色判らずかさこそ乾く枯れ落葉踏む
老いが発する魑魅魍魎のやうな声丑三つ時は夢に苦しむ
永井荷風作『すみだ川・新橋夜話』(岩波文庫)読了。表題の作品の他に「深川の歌」を加えた一冊である。これがなかなかよかった。外遊から帰ったあたりから、明治末年、大正初年におよぶ荷風の古い作品である。どれも時代を伝えておもしろい。花柳界を中心にした物語だが、荷風が書くと当時の東京がその空気感とともによみがえってくる。立体的なのだ。これこそ江戸の情調なのであろう。荷風はいいなあ。楽しい時間であった。
『論語』と『徒然草』はお休みです。『論語』は読みはじめたばかりですし、『徒然草』は、そろそろ最終盤にかかっているのですが。