2022年9月23日(金)

秋分の日(むかしの秋季皇霊祭)である。朝から雨がふったりやんだり。涼しいような、まだ暑いような。

衣を裏返して寝ると恋人を夢に見るそうだ。「わぎもこに恋ひて術なみ白妙の袖返ししは夢に見えずや」(万葉集・2812)、小野小町「いとせめて恋しき時はむばたまの夜の衣を返してぞ着る」(古今集・554)、西行「さはと言ひて衣返してうち臥せど目の合はばやは夢も見るべき」(山家集・701)というような古典和歌があるものの、実際に恋人が夢に見えているとは、どうも思いにくいのだが。パジャマを裏返しに着なかったためか、ここのところ見なかったひどい悪夢に、昨夜は魘されたのであった。

夢の中の街に迷ひて立ちどまる人の影なき商店街に

シャッターの閉まつたままの雑貨店うめきごゑする店の内より

この径をしばしたどれば猫町かいや猫も人も影ひとつなし

裏返しにパジャマは着るべし悪夢より恋する人の笑顔みるなら

裏返しにパジャマを着れば咎めらる

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA