台風14号が日本列島を縦断してくる。激しく雨が降り、すぐに止み、また降りだす。その繰り返しだ。被害者には失礼きわまりないが、少年時代、台風からの被害を少なくするため戸板を打ちまわしたり、台風の一夜の常とは違う緊張感が、言いようもなくわくわくしてたまらなく好きであった。相米信二監督『台風クラブ』を思いだしている。
タイフーンが東上してくる時の間のこころの昂ぶり知られてはならぬ
板戸閉め釘打ち台風を待ち構ふ暗き一夜のこころ躍りよ
鈴木正博の命日だ。あれから27年になる。
このごろは思ひだすことも稀になるゆるせよおれも老いたるかなや