2022年9月18日(日)

朝から雨。さっそく『あばな』を読む。次のような歌を拾う。

死者たちが夢に出て来てそそのかす道は結構爪先下がり
南から関東平野に雨が来る情報の中に佇立してゐる
暗く重い夢のなごりが少しづつ晴れていく中入れ歯を洗ふ
樋口覚の書を読みつつ眠りたる一夜は明けて細き雨降る
ああこんなことつてあるか死はこちらむいててほしい阿婆世といへど

死はやはりとてつもなくてさう遠くなくやつてくる読みつつ怖る

岡井隆は2020年7月10日、92歳で亡くなっている。

九十二年生きても怖ろしきものがあるああ人間といふ不思議なるもの

深町秋生『ヘルドッグス』読了。岡田准一主演の映画になるというが、凄い警察・極道ミステリイだ。

暴力シーンのかくも醜悪なる小説いくたびも閉ぢ時おきて読む

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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