朝食の後、近くのこだわりのパン屋に昼のパンを買いに、ついでに平川の河原に遊ぶ家族たちを見て、セブンイレブンへ。午後は五竜テレキャビンに乗って標高1515メートルのアルプス平へ。雪渓も残る五竜岳、大黒岳、唐松岳などの眺望を間近に楽しむ。この圧倒的な山岳風景を観るのは、何度も白馬にきているがはじめてのことだ。いやあ、凄かった。この夜、雨がちの白馬村に花火が打ちあがった。迎え盆の夜だ。
雨ふれば魂なやますごときかな宿りの窓に降る雨ながむ
百年も昨日のごとくに過ぎにけり五竜の峰をめぐる山やま
北信濃の山近づけばここちよき木々の間わたる風しづかなり
高々とロープウェイにのぼりきて尋常尺度に測れぬ山稜
雪渓はなほも筋なす岩稜を雲うごく北アルプスの山
蜩のこゑしづかなる白馬村樹々の影濃く夕ぐれてゆく
八月十三日ひそかに雨のふる夜は迎への盆の花火鳴りをり
盆の夜を旅の宿りに妻とふたり郷土の酒をちびりちびり
六人の侏儒の踊りにまじりたる荻原守衛汗かきてゐる
盆の夜の白馬の村の遠花火さびしくあれば旅人ならむ
遠花火果つれば寂しもう一献池田の酒を冷にていただく