朝からまあまあの天気だったのだが、なんと午後突然に雨。じきに止んだが、落雷もある。夕方は穏やかな青空になった。
深沢七郎『みちのくの人形たち』、たぶん三読目。いやあ、読み直すたびに凄い小説集だと思う。博多人形の裏に描かれた男女のひめごとの写しにせつなさをあきらかにする「秘戯」ばかりが印象に残っているが、それ以外の表題作や「『破れ草紙』に拠るレポート」「和人のユーカラ」「いろひめの水」など生と死の境の暗闇を覗きこむような怖さとエロスがある。いやあ、いいなあ。いくたびか登場する編集者の祐乗坊さん、嵐山光三郎さんが深沢七郎の近くにいるのもおもしろい。たしか深沢のことを書いた嵐山の小説があったはずだ。しかし、ここのところ昔読んだ本を読み返すことが重なっているが、おおかたを忘れてしまっている。三読目ということは、そういうことだからだろう。これはやはり老化か。
人の世のふかきくらやみを覗きこむ深沢七郎の小説を読む
忘失は年齢ゆゑかいくたびも読みしがやがておほかた忘る
ベランダには鳥の羽毛の落ちてゐるわが目を盗み鳩がきてゐる
