2022年12月9日(金)

朝方、西の山々の高き空に、ほぼ円い残りの月が明るく輝いていた。じきに雲に隠れてしまったが。

  明烏、嘴太鴉の()みごゑが響きていまだ暗き暁闇

「斑鳩のたみ声深み落つばき」

『日本国語大辞典』によるとこういう句があるそうだ。春鴻句集(1803頃)

  ひむがしの地の明けくれば西のそらに残りの円き月かがやけり

ある男

  フィルターの根もとまでタバコを吸ひて棄つ携帯電話の後に男投げ棄つ

  路上の短き吸殻を踏みつぶす男不貞腐れたるそぶりに

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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