少々寒い。雲が多いけれどまあまあ明るい。
大空のふかきところにわだかまる渾沌こんとん白雲うごく
九階に覘けばけやきのもみぢ葉もひかりにあかるく散り落ちてゆく
『徒然草』104段・105段
艶にをかしかりしをおもひ出で桂の木ある宿過ぎゆく
有明の月や残れる堂の廊ものがたりするをみなのありき
葉室麟の遺作でもある『星と龍』を読む。楠木正成を主人公にした悪党たちと後醍醐天皇の北条を滅ぼす戦いと建武の新政の時代を対象にした歴史小説。早き死により最後まで読めなかったことがほんとうに残念だが、興味深い楠木正成像だ。
楠木正成はわがヒーローの一人なり心にうたふ桜井の別れ