2022年10月13日(木)

日の出は5時40分くらいだが、太陽は出ない静かな朝明けであった。一日中16℃だか17℃。寒いくらいだ。

しつとりと藍に明けゆくさがみの空。窓を音なくふる細き雨

この雨は全き秋を率き連れてけやきの黄葉散りはじめたり

呉明益『自転車泥棒』をようやくのことで読み終えた。『歩道橋の魔術師』と少し違って、台湾の戦中・戦後史を背負い込んだような長篇、ハードな内容に圧倒された。台湾は日本の植民地であり、自転車の国であった。私も台湾製の洒落た小型自転車に乗っていたことがある。盗まれた自転車をめぐり絡み合う多くの人たちの個人史がたどられる。そして幾多の感動。これもいい本だ。ところどころに挿入された精密な自転車のイラストも呉明益のものだという。

読み終へてなんだか辛き人生を背負い込んだか息ふかく吐く

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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