2021年9月12日(日)

今朝の「天声人語」に金木犀がすでに香りはじめていることを知るものの、このあたりではまだだろう。金木犀の木が少なくなっている。私にとって金木犀の香りは、一人の死者を思い出させる。鈴木正博。『海山の羇旅』の歌人である。学生時代からのわが親友であった。金木犀の花の香るころに急逝した。クモ膜下出血、突然であった。37歳。27年前になる。ああ。

「天声人語」には俳句が紹介されていた。「木犀をみごもるまでに深く吸ふ」文挾(ふばさみ)()()()

  木犀の花の香りに遠ざかり一人の死者のおもかげを追ふ

  木犀の香りに深く息を吸ふいのちをみごもるまでに息吸ふ

「日曜美術館」はルーブル美術館。

  聖女マグダラのマリアの像は手を合はすわれもいつしか手を合はせをり

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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