午前中は曇っていたが、昼を過ぎて雨が落ちてきた。昨夜あたりから耳を澄ますと蛙の声が聞こえてくる。
めぐりには田の見えねども夜の曇りに蛙頻き鳴く喧しく鳴く
遠田には蛙鳴くなり青ペンキぬりたての蛙も鳴きはじめたり
おのが軀も寄木細工か塗り剥げて毀れしもあり古びたるなり
近藤洋太『眞鍋先生 詩人の生涯』読了。眞鍋呉夫、いくつかの俳句には感嘆してきたが、読み直さねばいかんなあと考えているところだ。いい本だった。「我はなほ屍衛兵望の夜も」「雪女ちよつと眇であつたといふ」「花冷のちがふ相手に逢ひにゆく」「雪女あはれみほとは火のごとし」いいですねえ。
雨の夜はつめたき女にあひたくて
後悔はとつくのむかしに古き恋