連休が終わりました。橋を渡って隣町へ。5000数百歩の散歩です。
茅花の穂朝のひかりに揺れてゐる散歩に方途失ふところに
松浦寿輝『わたしが行ったさびしい町』読了。なかなかに愉しい読書でありました。吉田健一の「余生」についてをはじめ、示唆多く、「深く広く濃い闇のただなかに、ぽっと灯された小さな明かり――それが実はわたしたちの生の営みそのものなのではないか」とかさまざまに思量するに足る手掛かりがあり、西脇順三郎『旅人かえらず』を読みかえす契機にもなりました。あと、そう宮澤賢治の「月夜のでんしんばしら」も。「月夜のでんしんばしら」は、4月28日の陶製碍子を見上げる少年のところで思いだしたかった。
窓に/うす明りのつく/人の世の淋しさ 西脇順三郎『旅人かへらず』二
病室に身に染みてさびしき日々を経てすこしは人間らしくなりしか